それでは、最後となる今記事では、関西全体の医療に関する現状についてまとめてみたいと思います。
近隣の現状がどうなっているのかを知ることは、府を超えた連携が発生することもあるため、非常に有意なものと言えます。
ここでは、京都、滋賀、兵庫、和歌山、奈良といった大阪を除いた近畿各5府県について、その実情をご紹介していきたいと思います。

  京都府の医療の現状

 

京都府の医療提供体制に関して簡潔にまとめると、医療提供レベルは比較的高いものの、2つの医学部が京都及び乙訓に集中してしまっていること、山城南地区の医療不足が挙げられます。
府内全域において、人口当たりの医療提供レベルをみてみると、病床数、一般病床、勤務医数、看護師数などは全て全国の平均レベルを上回っています。

大阪府などとも同様で、京都においても地域による医療格差が発生しており、奈良県と接している山城南エリアなどでは、勤務医、看護師なども非常に少なく、同エリアの住民は奈良県内の医療機関を受診することが多いという特徴が示されています。

  兵庫県の医療の現状

 

兵庫県の医療提供体制としては、県全体の提供体制が全国的な平均に近いものの、少し下回っているという状況です。
しかし、県内では医療格差が著しく、神戸及び阪神南エリアには過剰に集中しており、全体の30-35%もの医療資源が集中している状況とされており、神戸地域では急性期病床の過剰感が否めない状況です。

その一方で、丹波、但馬、西播磨、淡路といったエリアは医療過疎地域となっています。
県全体では全国平均を少し下回っているという状況であるものの、これら4つのエリアに関しては、医師が少なく、代わりに病床や看護師が多いなど、いわゆる過疎型の傾向が現れています。
都市部に医療資源が集中しているという形は、大阪と比べても同様の状況と言えるでしょう。

  滋賀県の医療の現状

 

滋賀県の特徴としては、大津及び湖南地区への医療資源の集中、日本でもっとも少ない高齢者施設数といったものが挙げられます。
特に問題として挙げられるのは、琵琶湖南岸部への集中でしょう。
県全体としては全国平均を下回っているものの、その多くが医学部のある大津地域に集中しているのです。
また、滋賀県では大津が医療の中心として機能しており、今後も人口の増加が見込めるエリアとして、活発化しているといった現状があります。

  奈良県の医療の現状

 

奈良県においては、全国と比較してみるとおおよそ平均レベルの医療資源を持っているとされます。
以前は、産婦人科などを中心に、救急医療の体制に不備があるとされていましたが、その点に関しては近年になって整備されてきているといった印象があります。

その他の特徴としては、南和地区の人口及び医療の過疎、北部4医療圏においては、医療圏を超えた患者移動が激しいこと等が挙げられます。
というのも、北部の医療圏、特に西和医療圏の患者は大阪市内の医療施設を利用することが多く、大阪への依存となる状況が生まれていることが、1つの問題として挙げられます。

  和歌山県の医療の現状

 

和歌山県に関しては、全体的に比較的高いレベルの医療資源レベルがみられるものの、和歌山への完全集中型となっていることが、一つの問題として挙げられます。
県全体としては全国と比較しても病床数や勤務医数、看護師数などの医療資源が充実しているものの、適切に活用することが難しい状況と言えます。
そもそも、和歌山に人口の40%程度が集中しているため、医療資源の多くが集中していること自体は自然なことではありますが、高度医療の提供という観点でみると、その辺りにかんしてはどうしても和歌山に依存しなければならない状態です。
また、和歌山と隣接する那珂、有田では各医療資源が不足しており、これもまた和歌山への依存態勢を強めていると言えます。